今回は、現在公開されている修復作業中の高松塚古墳壁画と高松塚古墳をレポートしてみたいと思います(来訪日2019年7月22日・写真は一部2019年1月撮影分を含みます)。
また、2019年6月15日に、キトラ古墳東壁「青龍、十二支・寅」が公開されているのも見に行ってきましたので、その時の様子や、申し込み方法などもご紹介させていただきます。
併せて、古墳周辺の見どころも上げていきますね♪
キトラ古墳・東壁(青龍、十二支・寅)公開
奈良県明日香村のキトラ古墳や、修復中の高松塚古墳の壁画の公開は、毎年、年間何回か行われています。
今回は東壁ですが、南壁・西壁・北壁…と、だいたい順番に公開されています。
ただ、ネットを見ていると「全部の壁画を、一気に見たい!」という書き込みも、見受けられますね…(/・ω・)/ソノ気持チ ワカルカモ…
《申込み方》
2019年5月18日~6月16日までの期間、キトラ古墳東壁「青龍、十二支・寅」の公開が行われていました。
申し込みは、インターネットか往復はがきですが、定員の空きがあれば、当日に現地で受付も可能です(だいたい空きはあります)。
キトラ古墳の見学は無料です。
詳細は文化庁のHPをご覧ください☟
私は、インターネット申し込みをしたので、予約票をプリントアウトして持っていきました。
キトラ古墳エリアには、18台停めれる無料駐車場があります。
この綺麗な建物「四神の館」は、いつでも入場無料で、レプリカを使って、キトラ古墳の様子を詳しく解説してくれるという優れモノです!
とてもわかりやすい展示で、キトラ古墳のことを勉強することができます。
今回のように特別展示がある際も、この「四神の館」で見ることができます。
そして、特別展示の方はというと…
「四神の館」の受付から階段を上がり、予約した時間の10分ほど前から、指定された場所で並んで待ちます。
入室できる時間は、1グループ10分。
とはいえ、東壁だけですから、長いのか短いのか?
通常、入場できる地下一階の展示室も内容は充実していますが、展示内容はレプリカです。
いったい、本物はどうなのか?
ドキドキしながら、入室しました。
中は小さな部屋です。写真撮影禁止。
入ったところに、ガラス玉や木棺の飾金具などが展示されています。
奥には、東壁画の説明パネルがあり、真ん中に、ケースに入れられた壁画があります。
大部分が、泥に覆われてはっきり見えません。
頭は獣、体は人間の姿をした「十二支・寅」は、衿(えり)の赤い部分のあたり、「青龍」に至っては、赤い舌の付近が僅かにうっすらと確認できるだけです。
それなのに…本物の力は凄いですね。
言葉で表現するのは難しいのですが、壁画から感じる時の流れなのか、何か訴えてくるようなモノがあります。それは壁画を覆う泥からさえ…
10分間じっくりと堪能させていただきました。
本物を体験することが貴重であることを、改めて感じさせられました。
職員や警備の方も、とても気持ちよく対応してくださいました(*''▽'')
余談ですが、10分経つと、キッチンタイマーが「ピピピピ~」と鳴ります。タイマーを止めている警備員さんと目が合ったら、笑っておられました(;^ω^)
現在、キトラ古墳の壁画は国宝、出土品は重要文化財に指定されています。
《キトラ古墳壁画体験館「四神の館」・利用案内》
〒634-0134 奈良県高市郡明日香村阿部山67
電話番号 0744-54-5105
入館時間 9時半~17時(入室は16時半まで)《3月から11月》
9時半~16時半(入室は16時まで)《12月~2月》
休館日 水曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
キトラ古墳と檜隈寺(ひのくまでら)跡
では、徒歩3分くらいで着く、四神の館の外にあるキトラ古墳に向かいます。
キトラ古墳の被葬者は、判明していませんが、7世紀末から8世紀始め頃に築造され、石室内からの人骨などの調査結果から、50~60歳代の男性である可能性が高いそうです。
また、内部の副葬品の豪華さからも、皇族か皇族に連なる人物が被葬者であろうと言われています。
公園内は、とても綺麗に整備されています。
また、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」前の駐車場がいっぱいなら、すこし歩きます(徒歩11分)が、同じキトラ古墳周辺地区内の檜隈寺跡側にも無料駐車場(第二駐車場・40台駐車可)があります。
キトラ古墳から檜隈寺跡までは、国営飛鳥歴史公園の「キトラ古墳周辺地区」として整備されていますので、徒歩11分とはいえ、散策しながら楽しんで歩くことができます。
また、檜隈寺跡前休憩案内所には、トイレ・休憩室・自動販売機もあるので、ちょっと一休みできます(^ ^)
休憩所から、歩いてすぐのところに「檜隈寺跡(史跡)」があります。
渡来系である、東漢(やまとのあや)一族の氏寺とされています。
主に、最先端の大陸の技術や文筆といった、当時の日本が求めていたものに長じていたため、朝廷に重用されました。
その後、東漢氏は、壬申の乱で天武天皇側についたため、さらに繁栄し、後に平安時代に、蝦夷征伐で活躍した坂上田村麻呂も、東漢氏の子孫であると言われています。
この石塔は、その坂上田村麻呂の一族が繁栄した平安時代に建てられています。
現在は、檜隈寺跡の境内は「於美阿志(おみあし)神社」の境内になっています。
とても静かな境内に、心洗われます。
もし、この第二駐車場に停める機会がありましたら、こちらの神社も、ぜひ覗いてみてください(^ ^)
修復作業中の国宝・高松塚古墳壁画公開
奈良県明日香村の、修復作業中の高松塚古墳壁画の公開も、毎年、だいたい年間2回ほど行われています。
《申込み方》
2019年7月20日から26日までの期間、高松塚古墳壁画修理作業室の公開が行われています。
申し込みは、インターネットか往復はがきですが、定員の空きがあれば、当日に現地で受付も可能です(だいたい空きはあります)。
修理作業室の見学は無料です。
詳細は文化庁のHPをご覧ください☟
「国営飛鳥歴史公園館」には、36台停めれる無料駐車場があります。
そこが満車なら、すぐ近くに有料駐車場もあります。
高松塚周辺地区の公園館の右手の、セミナーハウスのところが受付になります。
予約している時間になったら、10分ほどの映像を見て、知識を頭に入れます。
その後、班に分かれて案内してもらえます。
私の班は20名程でした。写真撮影は禁止です。
警備員さんが何人かいて、少しものものしい雰囲気の中、普段は入れないところの門や扉を開けていただき、国宝を見せてもらえる感が倍増していきます(笑)。
入口ではなんと、小型のオペラグラスを渡されました(;'∀')
中に入ると、納得しました。
通路から壁画まで、けっこう距離があるのです。
分厚い窓ガラスで、しっかりと守られているし…。
もっと大きいオペラグラスが欲しいよ~と思うくらいでした(;^ω^)
三か所の窓から、見ることが出来ます。
やっぱり、有名な「女子群像」のところが、一番 人だかりが出来ていました。
キトラ古墳壁画の時ほど、近くでは見れませんでしたが、それでも本物を目にするのは、やはり違います。
この壁画を描いた人、この古墳に埋葬された遺族の人たち…いったいどんな想いだったのだろうと考えてしまいます。
壁画が訴えてくるような気持になります。
何度も何度も繰り返し見てしまう…(*'▽')
学芸員さんを、質問攻めにしている方もいました(-_-;)
見学時間はキトラ古墳の壁画と同じく、各班10分ずつ。ちょうどいい按配の時間です。
セミナーハウスも修理作業室も、エアコンが効いていて快適でした。
修復作業は、あと1年ほどで終了する予定らしく、かなり壁画が綺麗になってきていますので、今の時期に見れるのはラッキーだと思いました。
壁画修復作業終了後の展示については、保存方法などを考えながら検討中だそうです。
美しくなった「高松塚古墳壁画」が公開される日を、楽しみに待ちたいと思います♪
高松塚古墳と壁画館
では、実際の高松塚古墳の場所へ向かいましょう。
公園館からけっこう歩きます。
徒歩6分くらいですが、ちょっとアップダウンがあるので、暑い時期は、キツイものがあります(汗)。
水分と扇子などは、必須です!
発掘調査の結果を踏まえて、現在は、古墳の外観はキレイに復原されています。
この高松塚古墳のすぐ近くに、高松塚古墳壁画館があります。
ここには、石槨内部・壁画と副葬品のレプリカが展示されています。
普段は、本物の国宝の方を見ることは出来ませんので、ぜひ、こちらの壁画館に入って内部の状況をご覧ください。
詳しい説明ボードなどもあるので、勉強になりますよ。
《高松塚壁画館・利用案内》
所在地 〒634-0144 奈良県高市郡明日香村大字平田439
電話番号 0744-54-3340
拝観時間 9時半~17時(入館は16時半まで)
通常拝観料 一般300円 大学・高校生130 中・小学生70円
休館日 12月29日~1月3日
この高松塚古墳、被葬者は誰か?という疑問に結論は出ていませんが、天武天皇の皇子説が有力だそうです。
《参考文献》
・文化庁発行公式パンフレット
まとめ
いかがでしたでしょうか。
明日香村の高松塚古墳とキトラ古墳では、年に数回特別展示が行われて、予約していけば(当日受付も空きがあればOK)、国宝である壁画を無料で見学することができます。
それだけではなく、明日香村には、観光スポットもたくさんありますので、国宝見学と併せて、いろんなところを見て回ることも出来ます。
明日香村の無料観光スポットについてはコチラ☟
万葉文化館やグルメ情報はコチラ☟
機会がありましたら「ホンモノが持つ力」を、どうぞ体感してみてください!
尚、明日香の観光は割と広範囲に動くことになりますので、レンタサイクルなどがお勧めです。
近鉄吉野線飛鳥駅前にある「道の駅・飛鳥」では、レンタサイクルの受付もありますので、効率的に観光するために活用してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>