最近、こちらのブログで、奈良県斑鳩町にある世界遺産・法隆寺について、ポツポツと投稿させていただいていますが…☟
本来ならば、法隆寺のご紹介がすべて終わってから投稿しようと思っていた、法隆寺の鎮守社ともいわれる「龍田神社」。
それなのに、この時期にアップしたくなったのは…
こちらの神社の社紋が「紅葉」だからなのでした(;^ω^)
今の季節にピッタリ✨
…というわけで今回は、法隆寺から歩いて15分のところにある「龍田神社」をご紹介させていただきます(*'▽')
「龍田神社」の由来
法隆寺を創建する前、飛鳥の地から、この斑鳩の地までやってきた聖徳太子。
竜田川の辺りでふさわしい場所を探していた時に、白髪の老人に化身した竜田大明神に出会い、その時示された地に法隆寺を建立し、伽藍の守護神として竜田大明神を祀った…
というのが、龍田神社の始まりと伝わっています。
その他にも異説があり、三郷町にある風の神様として有名な「龍田大社」に、聖徳太子が法隆寺建立の安全を祈願し、その後、法隆寺竣工落慶の際に「龍田大社」から分霊され、法隆寺の守り神とされたのが始まり…という説もあり、三郷町の「龍田大社」は、この説を採用しているようです。
※「龍田神社」と「龍田大社」の位置関係☟
また龍田神社では、神仏習合以降は、法隆寺の寺僧が神主を務め「龍田神人」と呼ばれ、造替えも寺社の手で行われていたという、法隆寺とは切っても切れない縁がある神社なのです。
ただし、明治の初めの廃仏毀釈の際、境内にあった法隆寺関連の建物はすべて破却されたらしく…
返す返すも残念なことですね(>_<)💦
ユニークポイントその①鳥居
では、気を取り直して、境内を歩いて行きましょう。
まずは、神社の玄関となる鳥居なのですが…
見上げているだけでは、何の変哲もない鳥居なのですが、よく見ると屋根がついています☟
屋根付きの鳥居というのは、かなり珍しいそうです。
では、いきなりですが(笑)、本殿をご紹介します。
わりと新しい建物ですね。
本殿のご祭神は「天御柱命(あめのみはしらのみこと)」と「国御柱命(くにのみはしらのみこと)」。
イザナギノミコトとイザナミノミコトの間に生まれたといわれる風の神様で、前述の「龍田大社」のご祭神と同じです。
狛犬さん達は、少しおとなしめかな…と感じました(*´ω`*)
ユニークポイントその②鶏の手水
ところで、龍田神社の手水なのですが…
珍しいことに、水口が「鶏」なのです☟
なぜ、鶏なのかというと、話はなんと神功皇后の時代に遡ります。
三韓征伐の際、往駒大社で一泊した神功皇后は、翌朝の早立ちに備えて兵士たちを早めに起こすように鶏に命じました。
ところが、鶏が寝坊してしまい、兵の出発も遅れました。
これに起こった神功皇后により、鶏は往駒大社から竜田川に流され、下流の龍田神社で拾われたと伝わっています。
鶏が寝坊…( ̄▽ ̄;)
なんだか、憐れとも滑稽とも感じられるエピソードですね。
大事なところでミスをしてしまい、上司にドヤされる…
誰にでも起きそうなエピソードに、同情を禁じえません;つД`)
ちゃんと、拾ってもらえてよかったね…💧
☝「往馬大社」と「龍田神社」の位置関係
また、手水鉢を支えているのは…
「どすこい」…(笑)。
こんなユニークな像なのです(;^ω^)
龍田神社に来たら、この手水鉢は要チェックですね✨
そういえば、数年前の酉年の時の初詣先として、この「龍田神社」も上げられている記事を読んだことがあります。
次回の酉年には、訪れてみたいものです(かなり先💧)。
また、この鶏の手水の奥には、境内でひときわ目を惹く大きなご神木があります。
その前に立つ鳥居も見事です❕
扁額には「楠大明神・稲荷大明神」と書かれていました。
ユニークポイントその③天然記念物のソテツの木
龍田神社境内には、ソテツの巨木があり、こちらは奈良県の天然記念物の指定を受けています。
ソテツは、見た目からもわかるように、熱帯から亜熱帯地方にかけて分布する植物で、この地には、もちろん植栽されています。自生ではありません。
ソテツさん、この場所がお気に入りなんですかね、ずいぶん大きいです💦
さすが、天然記念物…(;・∀・)
実は、ソテツの木は境内にもう一本あります。
そう、先ほどの、神功皇后に捨てられた憐れな鶏の隣にあります💦
由緒ある神社に、南国風の天然記念物であるソテツ。
とても、ユニークな神社ですね。
さらには「金剛流発祥の地」と書かれた石碑もあります☟
法隆寺では、神仏を供養する法楽として、坂戸座の猿楽が演じられていました。
坂戸座は、大和四座と呼ばれた流派の一つで、後に「金剛座」と呼ばれるようになりました。
金剛流は現在も、能楽の流派として続いています。
龍田神社へのアクセス
JR大和路線・法隆寺駅より、徒歩24分。
または、奈良交通バス「竜田神社」より徒歩2分。
駐車場は、5台分有り。
境内自由。
《参考文献》
まとめ
在原業平の「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
能因法師の「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり」
など、
龍田川と紅葉を題材にした歌が古来から詠まれているこの地域にあるからなのか、紅葉が社紋となっている「龍田神社」。
境内の紅葉は、本数は少ないですが、とても鮮やかな色づきになっています。
法隆寺に行かれる時には、ユニークな見どころがたくさんある、この「龍田神社」まで足を延ばすのもおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>