奈良県橿原市にある藤原京跡。
694年から710年の平城京遷都までの間、日本初の本格的な都が置かれていた場所です。
前回の記事では、現在の藤原京跡で四季折々に咲く、素晴らしい花の一つ、満開の蓮レポをご紹介させていただきました(藤原京跡へのアクセスもコチラ)☟
今回はお花から離れて、藤原京とは何か、そして現在の遺跡の様子・併設されている資料館についてお伝えしたいと思います✨
藤原京とは?
藤原京は694年に持統天皇が遷都し、その後、文武天皇(持統天皇孫)が即位、若くして崩御した後、後を継いだ元明天皇(文武天皇母・持統天皇の従妹でもある)が、710年に平城京に遷都するまでの間に都とされました。日本初の本格的都城です。
たった16年で、平城京へ遷都したことが、もったいない気がしてくるほど、広大な敷地ですが、近年の発掘調査結果から、どうやら本来の藤原京の姿は、平城京や平安京を凌ぐ大きさであった…と言われています(゚∀゚)
日本史上初めて作られた本格的な都が一番大きいだなんて…
これって何気にスゴイ…❕
残念ながら今は、建物は何も残っていないので、これらの柱をよすがに、当時の様子を想像するしかありませんが…
そんな広大な藤原京に遷都した持統天皇は女帝です。
しかしながら、お飾りの名ばかりの天皇だったわけではなく、絶対的な権力を誇り、日本の律令制度を作ることに貢献された、立派な女帝でした。
父親は天智天皇、祖父は舒明天皇、祖母は皇極(重祚して斉明)天皇、夫は天武天皇、従妹であり義理の娘でもあるのは元明天皇、孫は文武天皇、孫娘は元正天皇…
と、血筋だけ見てもスーパーサラブレットなお方です。
持統天皇については、数冊、本を読んだりしたのですが、実は一番わかりやすかったのは、里中満智子先生の漫画「天井の虹」でした。
まだまだ謎が多い飛鳥時代を、持統天皇を主人公に描いた壮大な歴史物で、視覚的にも飛鳥時代をイメージしやすくなったこともあり、現在の明日香村内にも、里中満智子先生のイラストの石碑があったり、いろいろなお店に里中先生のサインが飾られていたり…と、明日香村の方々にも受け入れられ、愛されている作品です。
この作品を通じて、持統天皇の生涯が波乱万丈で悩みや苦しみも多い中、自分の信念を貫いて生きた方だということを感じることができました。
里中満智子先生の「天上の虹」の作品と、持統天皇については、コチラの記事をご参照ください☟
さて、百人一首での、有名な持統天皇の句である
「春過ぎて 夏きにけらし しろたへの 衣ほすてふ 天の香具山」
は、この藤原京で詠まれた歌だそうです。
この藤原京跡の大極殿跡辺りに立つと、こんな雄大な歌を口ずさみたくなるくらい、地面からの波動みたいなモノを感じます。
この地に、都を作ろう…と思った気持ちが何となくわかります。
話は変わりますが、大極殿跡の写真を撮っていると、北側に古墳跡?と思うような場所がありました。
気になって、グーグルマップで調べてみると…「鴨公(かもきみ)神社」となっています。
拝殿はおろか、鳥居・賽銭箱もありませんが、ご神体の大木が祀られていました。
中は、たいへん静かです。
木々が外界との隔てとなり、シンと静まり返り、とても神妙な気持ちになることができます。
大極殿跡北側の醍醐池周辺
さて、鴨公神社から、道路を隔てた北側に向かいます。
ここ、醍醐池周辺は、桜と菜の花ゾーンに当たります。
大極殿跡北側の車道を挟んで向かい側にあります(けっこう車が通るので、通行時は気をつけてください)。
今年、2020年3月30日に、一人で立ち寄りダッシュで撮った写真があります💦
ちょうど、菜の花と桜のベストシーズンでしたので、それらの写真を交えて、ご紹介していきたいと思います(*‘ω‘ *)
池からの景色もキレイです。
前述の持統天皇の歌
「春過ぎて 夏きにけらし しろたへの 衣ほすてふ 天の香具山」
の歌碑が、醍醐池の北東側に建てられています。
そして、醍醐池周辺の桜と菜の花の世界✨
また、この写真のみ、桜の時期ではありませんが…(;^ω^)
なんと、大神神社のご神体山である三輪山まで、くっきり見えます(*''▽'')
大神神社についてはコチラ☟
藤原京が、大和三山のみならず、大和の国一ノ宮・大神神社のご神体山である、三輪山まで見える絶好の位置にあったことが、よくわかります。
※別件ですが…
大極殿跡の北側では、発掘調査中でした(2019年7月)。
…なんて、呑気にこんな記事をアップしていたら…
2019年10月3日には「大極殿の内部を仕切る回廊の跡発見!」とニュースになっていました!
まだまだ、いろんな発見がありそうで、楽しみです(^ ^)
橿原市藤原京資料室
さて、藤原京跡に隣接する敷地に、藤原京に関する展示がされている資料室があります。
場所は、藤原京跡の西側です☟
入館も駐車場(30台駐車可)も無料です(*'▽')
そんなに広くはないスペースですが、藤原京跡の出土品や解説パネルなどがあります。
特に、藤原京1000分の1模型は、豪華で見入ってしまいます。
やはり、ジオラマを目にすると、当時をイメージしやすいですね!
そして、ひとり1枚限定で、京跡に咲く花々と、京跡で出土した軒丸瓦の意匠をあしらった しおり がもらえるとのことで、見てみると…
菜の花、ハナナス、キバナコスモス、コスモスの4種類がありました♬
どれも綺麗だったんですが、今回はやっぱり、蓮をチョイス☟
実際に、こんな光景を見れて、本当によかった…(*ノωノ)
《橿原市藤原京資料室・利用案内》
入場時間 9時~17時(入室は16時半まで)
閉館日 月曜日(祝祭日の場合は翌日)・12月27日~1月4日
入場料無料
橿原市藤原京資料室問合せ電話番号 0744-21-1114
《参考文献》
まとめ
四季折々に咲く、美しいお花が植えられている藤原京跡ですが、その歴史的背景や、遷都した持統天皇のドラマなど…
お花以外にも、人々を惹き付ける魅力がたくさん詰まった藤原京跡。
機会がありましたら、大極殿跡に立ち、地面からの波動を感じてみてください。
日本で最初の本格的な都に、この地が選ばれた理由が体感できるはずです✨
日本の律令制度を作るにあたり、激動の時代を生き抜き大活躍した持統天皇。
夫・天武天皇と合葬されている陵墓は、藤原京に遷都される前に都があった、明日香村にあります☟
この陵墓は、ある理由から、天皇陵にしては珍しく「天武・持統天皇陵」であることが、ほぼ確定しています。
藤原京まで来られた際には、明日香村まで足を延ばしてみるのもおすすめですよ✨
最後までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>