皆さまは「興福寺」と聞いて、何を思い浮かべられるでしょうか。
今や、世界遺産登録され、常に観光客でいっぱいの興福寺ですが、創建から約1350年の間に、激動の時代をくぐり抜けて、今に至っています。
そのあたりを踏まえつつ、興福寺のはずせない見どころをご紹介していきたいと思います(^ ^)
…が、クマ子的ランクなので、通常とは違う順番になると思われます(;^ω^)ハハ
- 興福寺とは
- 興福寺見どころ①興福寺のシンボル!五重塔・東金堂
- 興福寺見どころ②阿修羅像に会える!興福寺国宝館
- 興福寺見どころ③見ないと損!北円堂・三重塔
- 興福寺見どころ④西国三十三所霊場としても有名な南円堂
- 興福寺見どころ⑤再建されたばかりの美しい中金堂
- 興福寺見どころ番外編・屈指の撮影スポット!猿沢池
- まとめ
興福寺とは
奈良七大寺の一つで、藤原氏の氏寺として、あまりにも有名です。
もともとは、669年(飛鳥時代)、中臣鎌足の病気平癒のために妻の鏡女王が建てた、「山階(やましな)寺(京都府)」が起源となります。
壬申の乱後、飛鳥に移され「厩坂(うまさか)寺」となり、平城京遷都に伴って藤原不比等が現地へ移し、興福寺と改号され、国の大寺ともなり、藤原氏の勢力拡大とともに、広大な伽藍となっていきました。
その後、1180年(平安時代末期)の平重衡による南都焼打ちで、伽藍はほぼ全焼しました。
鎌倉時代に再建されたものの、その後も火災などに見舞われ、明治時代の廃仏毀釈で、無住の寺となってしまいましたが、その後、少しずつ再建が進み、次第に整備されつつあります。
また、平安時代中期頃からは、同じ藤原氏の氏寺でありながら、宗派の違いから多武峰寺(奈良県桜井市)との闘争に明け暮れたり、僧兵を数多く抱え、鎌倉時代から戦国時代にかけては、大和の国主として君臨するなど、さまざまな歴史を刻んでいます。
近年では、平成に入り「古都奈良の文化財(東大寺・興福寺・春日大社・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡・春日山原始林)」のうちの一つとして、1998年に世界遺産登録されました。
門や塀などは、再建されていないため、興福寺の境内へは、自由に立ち入ることができます。
ただし、東金堂・中金堂の拝観及び、国宝館の入場は有料となっています。
公共交通機関でのアクセスは、近鉄奈良駅から徒歩7分・JR奈良駅から徒歩18分です。
興福寺の駐車場は、乗用車1000円/1日 です。
興福寺見どころ①興福寺のシンボル!五重塔・東金堂
最初の見どころは、興福寺の境内を目指して歩いていくと、自然と目に入ってくる「五重塔」。
もともとは、730年に光明皇后の発願で建てられましたが、その後幾度か火災に見舞われ、現存する五重塔は1426年頃(室町時代)に再建されたもので、国宝に指定されています。
高さは、約50mあり、とても人目を惹く撮影スポットで、興福寺のシンボルになっています。
内部は非公開ですが、不定期で特別公開されているようで、その際には、初層のみ入れるそうです。
日没から22時頃までの間は、ライトアップもされているので、夜でも美しい姿が見れます。
約600年の時をこの地で刻んできた五重塔の雄姿を、ぜひぜひカメラに収めてください!
もう一方の見どころは、五重塔のすぐ北隣に建つ「東金堂(国宝)」です。
もともと726年に、聖武天皇が、伯母である元正太上天皇の病気平癒を祈願し建立された堂ですが、こちらも創建当時の建物は焼失し、お隣の五重塔とほぼ同時期の室町時代の1415年に再建されています。
この東金堂内は、西国薬師第四番札所でもあり、拝観することができます。
《東金堂・拝観情報》
拝観時間 9時~17時(入堂は16時45分まで)
年中無休
拝観料 大人300円 中高生200円 小学生100円
東金堂問合せ電話番号 0742-22-7781
東金堂のご本尊は、聖武天皇が元正太上天皇の病気平癒を祈願したことからもあり、薬師如来であるのですが…
脇侍の「銅像 日光・月光菩薩立像」にいたっては、1180年の平重衡による南都焼討の兵火による焼失後、なんと飛鳥の山田寺(現・奈良県桜井市)講堂から、興福寺の僧兵が強奪して安置したものらしく、お顔が白鳳時代の表情をされています。
このような一面からも、興福寺の歴史を感じ取ることができますね。
その他、国宝の仏像が多数安置されています。
中でも「十二神将立像(バサラ像も含まれています)」は、12体すべてが残っている貴重なものです。
興福寺見どころ②阿修羅像に会える!興福寺国宝館
二番目のおすすめは、東金堂南側にある「国宝館」!
なぜなら、かの有名な『阿修羅像』にお会いできるのです。
この「阿修羅像」は「乾漆八部衆」と呼ばれる像の中の一つです。
もともと、光明皇后が母・橘三千代の冥福を祈って建立した西金堂に安置されていたものです(製作年・734年)。
本来、最高神と戦っては敗れる悪神だった阿修羅ですが、愁いを湛えているものの、なぜか清々しさを感じます。
像が、思いのほか小さいせいもあるのかもしれませんが、実際に目にしてみると、繊細な内面と 芯の強さを感じて感動しました。
また、展示方法も工夫されていて、ガラスケースで覆われていないので、リアルさを体感できます。
ほかにも飛鳥時代に作られた「銅造仏頭」など、貴重な国宝が多数展示され、有名な運慶作の仏像もあり、満足度が高いです。
興福寺まで来られたら、ぜひ圧巻の「国宝館」を体感してみてください(*''▽'')
所要時間は、個人差があると思いますが、30分~1時間くらいです。
《興福寺国宝館・入館情報》
拝観時間 9時~17時(入堂は16時45分まで)
年中無休
拝観料 大人700円 中高生600円 小学生300円
国宝館問合せ電話番号 0742-22-5370
※国宝館・東金堂連帯共通券有り
拝観料 大人900円 中高生700円 小学生350円
興福寺見どころ③見ないと損!北円堂・三重塔
興福寺の境内では、五重塔と東金堂に目を奪われがちで、けっこう気づかない人もいる「北円堂」ですが、現存するのは鎌倉時代に再建されたもので、興福寺で二番目に古い建物です。
日本に現存する八角円堂の中でも、最も美しいといわれているお堂です。
それもそのはず、奈良時代の超大物政治家である藤原不比等の冥福を祈って、元明太上天皇と元正天皇が創建された…そうです。
近くで見ると、歴史と風情を感じる建物です。
その優美さにも、目を奪われます(*''▽'')
春と秋の特別公開期間は、堂内を拝観できます。
拝観期間は毎年変わるので、事前に確認してからお出かけください。
また「三重塔」は、北円堂から、南向きに坂を下った奥まったところにあり、かなり分かりにくい場所にあり、見逃してしまいがちですが、小振りで均整のとれた優美な塔です。
興福寺で、一番古い建物になります。
この塔は、他の伽藍と時代が違い、1143年(平安時代)に、保元の乱に巻き込まれて讃岐に流され、怨霊になったことで有名な、崇徳上皇の中宮・藤原聖子(藤原忠通の娘)によって創建されています。
創建から、わずか37年後に被災しましたが、その後期間をおかずに再建され、現在に至っています。
個人的には、五重塔より好きな、すてきな塔です♪
見逃すと残念なので、ぜひ探してみてくださいね。
興福寺見どころ④西国三十三所霊場としても有名な南円堂
西国三十三ヶ所第九番札所でもあり、いつも大勢の人で賑わっています。
813年(平安時代)の藤原氏北家が権力を握った頃に、藤原冬嗣が父・内麻呂の冥福を祈って建立しています。
本尊の不空羂索観音菩薩坐像(国宝)は有名ですが、堂内の拝観はなんと年一回のみ、毎年10月17日です。
当然、大変な混雑となります(;・∀・)
朱色がきれいな、均整のとれた八角堂です。
興福寺見どころ⑤再建されたばかりの美しい中金堂
興福寺の境内の中心付近に位置し、再建されたばかりの綺麗な建物であるばかりか、その大きさでも目を惹く「中金堂」。
この「中金堂」を創建したのは、奈良時代の超大物政治家である藤原不比等…と聞くと、この大きさも中央に位置しているのも、頷けます。
今までこの場所には、何もなかったのですが、この中金堂が建ったことによって、
伽藍の整備が進んでいる実感がしました。
…が、私は、時間の都合上、まだこの中には入れておりません<(_ _;)>
近いうちに、行ってこようと思っています( ;∀;)
《中金堂・拝観情報》
拝観時間 9時~17時(入堂は16時45分まで)
年中無休
拝観料 大人500円 中高生300円 小学生100円
ご本尊の「釈迦如来坐像」は何度も焼失し、現在のご本尊は5代目のため、国宝・重要文化財指定こそ受けていませんが、興福寺の中央にある中金堂のご本尊、つまり興福寺のご本尊に当たる仏像なので、たいへん貫禄があります(写真でしか見ていません、すみません)。
また、今までは南円堂に置かれ、年に一度の特別拝観日にしか見ることが出来なかった「木造・四天王立像」が見れることは、中金堂拝観の価値を高めてくれると思います。
興福寺見どころ番外編・屈指の撮影スポット!猿沢池
南都八景の一つと言われている、興福寺の南にある池です。
奈良時代から、ここにあったことは、ほぼ確実だそうです。
興福寺の五重塔から南に向いて「五十二段」と呼ばれる、長~い階段を降りていくとあります。
「猿沢池と興福寺と五重塔」…奈良観光のシンボルです!
また、この猿沢池は、采女伝説にちなんだ「采女祭」が、中秋の名月の日に行われることでも有名です。
クマ子も、高校生の時に行きましたが(遠い目)、夜の猿沢池に、天平時代の衣装をまとった人たちが乗る竜頭船が浮かべられ、音楽が奏でられる、たいへん風情のあるお祭りです♪
池の周りのベンチで、ちょっとほっこりできます。
散策で疲れたら、足を休めながら、猿沢池に映る五重塔を眺めれます。
また、池の鯉などのエサも販売しているので、子どもにも人気のスポットです。
《参考文献》
まとめ
「古都奈良の文化財」として世界遺産登録されているうちの一つである、興福寺の境内をご案内させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
明治の廃仏毀釈によって、一時、無くなってしまった興福寺ですが、さまざまな人たちの努力で、現在の形にまで回復しました。
これからも、中門や回廊の復元計画があるそうなので、これからの興福寺にも期待したいと思います。
余談ですが、JR・近鉄奈良駅から歩いて行くと、興福寺の奥は春日大社で、この一帯は「奈良公園」と呼ばれ、奈良の鹿がたくさんいます。
…ということは、地面に鹿のウ〇チも、よく落ちていますので、奈良公園内では足元にお気をつけくださいませ( ̄▽ ̄;)
最後までお読みいただきありがとうございました。