なんと(710年)立派な平城京…
と、いきなり年号の語呂合わせからスタートしました(笑)。
今回は、コスパよく行ける世界遺産をご紹介します!
古都奈良の文化財の一つ「平城宮跡」を含む『平城宮跡歴史公園』は、何と!見学は全域無料なのです♪
お金がかかるのは、正面にあたる朱雀大路側の駐車場と、レンタサイクル代、お食事代・お土産代だけ!
奈良に来られて時間の余裕があれば、コチラもぜひ観光プランに組み入れていただきたいと思います。
(訪問日2019年7月25日・写真は一部4月4日撮影分を含みます)。
平城宮跡とは?
では、そんなお得な世界遺産・平城宮跡について、サクッとご説明させていただきます(''◇'')ゞ
710年に元明天皇(天智天皇皇女・文武天皇母)により藤原京(現・橿原市)から遷都され、784年に桓武天皇(天智天皇曽孫)が長岡京に都を移すまでの74年間(その後、都は京都に移ります)この平城宮は奈良時代の首都でした。
その間の天皇は、遷都を行った元明天皇・元正天皇(元明天皇皇女)・聖武天皇(元明天皇皇孫)・孝謙天皇(聖武天皇皇女・のち重祚して称徳天皇)・淳仁天皇(天武天皇皇孫・のち恵美押勝の乱に連座したかどで廃位)・光仁天皇(天智天皇皇孫)・桓武天皇…と8代にわたります。
こうして見ると、奈良時代は女帝が多いですね!
そういうことを考えながら歩くのも、とても楽しいです(*'▽')
その後、平城京は田畑と化し、その栄華は跡形もなくなりましたが、江戸時代末期に尊王攘夷運動が高まってきたあたりから調査研究がなされ、昭和・平成の時代になっても続けられました。
そして遂に、1998年に古都奈良の文化財(『東大寺』『興福寺』『春日大社』『元興寺』『薬師寺』『唐招提寺』『平城宮跡』『春日山原始林』)の一つとして、世界遺産登録されました。
それまでは、文化庁の建物がポツポツと建っている以外は、第二次大極殿跡とか、ほんの少し残っているくらいで、ただただ、だだっ広い空き地が広がるばかり…でした。
ですが、世界遺産登録を契機に整備され、研究成果をもとに、当時の建物が続々と復原 、2018年に平城宮跡歴史公園として開園しました。
現在も、第一次大極殿院・南門が復原工事中です。
《平城宮跡歴史公園・利用案内》
世界遺産で、公園も整備されているのにもかかわらず、施設・史跡の見学は無料です!
「天平うまし館」ではお食事が、「天平みつき館」ではお土産が、また「天平みはらし館」ではレンタサイクルが、それぞれ利用できます。
それらを利用すると、支払いは発生しますが、その代わり、正面玄関に当たる、交通ターミナルのところの駐車場(8時から23時まで停めれます)の料金が割引になります(料金・1時間200円)。
また、平城京跡資料館駐車場・遺構展示館駐車場・東院庭園駐車場は、すべて無料です(ただし、開放時間は9時から17時なので気をつけてください)。
いずれにしても日祝やイベント時は混雑するので、公式には公共交通機関を使うことが勧められています。
また一部を除き、園内施設は月曜日や年末年始などがお休みになっていますので、HPでご確認の上お出かけください。
平城宮歴史公園は、たいへん広く、また早めに閉まってしまうゾーンもあるため、全部回りたい方や、あまり時間のない方は、計画的に動く必要があります。
それでは、こちらの園内地図をもとに、ご案内していきますね♪
16時までに入館しないといけないゾーン
ではまず、お目当てがあるなら、早めに行った方がいいゾーンをご案内します。
ここで案内するのは、以下の利用条件の場所です。
開館時間 9時から16時半(入館は16時まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)・12/29~1/3
このゾーンイチオシ!第一次大極殿
※地図③
ここは、平城宮歴史公園に来られたら、ぜひとも見ていただきたいポイントです!
平城京の中心建物で、聖武天皇による恭仁京(京都府)遷都(740年)までの30年間、大極殿として、天皇の即位や元日の式典などの重要行事に使われました。
天皇が着座する「高御座」です。
つい最近、よくテレビやネットニュースで見かけましたよね(笑)。
ここにあるのは、奈良時代に使われていたと思われる形式の高御座が再現されています。
上村淳之画伯(父・上村松篁と祖母・上村松園も画家)は、 現在は奈良県にお住まいで、奈良市学園前駅近くの「松伯美術館」で、作品が展示されています。
その後、この第一次大極殿は、恭仁京遷都の際に、解体され移築されました。
恭仁京から紫香楽宮(滋賀県)に再度、都が移された後、山城国分寺に施入されましたが、当時の礎石はまだ山城国分寺に残っているそうです。
ただし、この第一次大極殿へは、正面の朱雀門からはかなりの距離があります。
時間的なゆとりを持って移動されることをおすすめします。
このゾーン二番目のおすすめは「東院庭園」
※地図⑥
奈良時代の貴族たちの優雅な生活を垣間見ることが出来そうな、美しいお庭があります♪
ここは「東院」「東宮」と呼ばれ、皇太子の住居だったようですが、奈良時代後半には、称徳天皇がこの近くに、いわゆる迎賓館の役割をする「東院玉殿」を建て、宴会や儀式を行っていたそうです。
女性皇太子であった称徳天皇にしてみれば、ここは懐かしい場所でもあったのでしょう。
この東院庭園は、日本庭園の出発点と言われています。
ここで、音楽を奏でたり、宴会をしている貴族たちの姿が目に浮かぶようです(*'▽')
奈良の都の栄華が偲ばれます。
ただし、この「東院庭園」も、朱雀門からはかなり歩きます。
第一次大極殿からも、遠いです。
どちらも、16時までに入らないといけないので、ご利用は計画的に…(;^ω^)
ツボにはまる?内裏と第二次大極殿跡
※地図④
復原された建物はなく、少し地味なのですが、クマ子的にはおすすめゾーンです♪
こういう、何もないゾーンは、より想像がかき立てられるからです(*''▽'')
第二次大極殿は、聖武天皇が、難波京から平城京に都を戻してから(745年)、桓武天皇により長岡京に遷都されるまで使われていました。
今は、基壇だけが復原されています。
また、第二次大極殿が使われていた当時は、第一次大極殿跡には、称徳天皇の住んでいた「西宮」が建てられていたそうです。
ちなみに… クマ子が高校生の頃は、このあたりには何もなくて、よく部活でランニングしに来たり、体育祭の応援団の練習に使ったり…(遠い目)。
わりと青春の1ページだったりしたのですが、今ではすっかり整備されて綺麗になりました。
ちょっと脱線してしまいましたが…
内裏は、天皇の私的な住まいです。
今は柱の跡が植樹によって表示されています。
当時を偲ぶ・推定宮内省と造酒司井戸
※地図⑤
「推定宮内省」は、天皇を支える役所があったとされている場所です。
築地塀や建物が復原されています。
遠い昔、平城宮に勤める役人たちが、書類に目を通したり、書いたりした場所です。
この建物は、当時を想像しやすいと思います。
また、 「造酒司井戸」は単なる井戸ではなく、神事や祭祀で使うお酒をつくる、特別な場所であったと考えられています。
当時は、濁り酒だったんでしょうけれど、ここで、お酒が作られていたんですね~( *´艸`)
この施設は、第一次大極殿から東院庭園に行くまでの途中にあります。
くぐらないなら急がなくても大丈夫!朱雀門
※地図②
平城宮の正門です。
平城京の顔ですね。当時の面影を偲ぶことができます。
ここで写真を撮るのは、必須のポイントですね('ω')ノ
朱雀門が解放されているのも、9時から16時半です。
16時まで入場できるので、門をくぐりたい方や、門の近くで撮影したい方はそれまでに行ってください。
尚、時間が過ぎて門が閉じられても、朱雀門の側面から裏側にまわり写真を撮ることは可能です。
17時半までに入館しないといけないゾーン
ここで案内するのは、以下の利用条件の場所です。
開館時間 10時から18時(入館は17時半まで)
※ただし、夏季(6~9月)は、18時半(入館は18時まで)
休館日 2・4・7・11月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)・12/29~1/3
ここは外せません!平城宮いざない館
※地図⑦
朱雀門の南東側に 「平城宮いざない館」があり、平城宮跡についての展示館になっています。
かなり広いスペースに、様々な展示がされています。
ここの復元模型はかなり精密で、見ごたえがあります!
ここには特に、出土品がたくさん展示されています。
内容もかなり充実していて、当時ニュースにもなった、長屋王邸宅跡から出土した「長屋親王…」と書かれた、木簡もあります。
他にも、お土産屋さんや休憩所もあります。
ここは、ちょっと遅くなっても開いているので、最後にまわしても大丈夫なので、ぜひ、ご覧になってください(≧◇≦)
※尚、第一次大極殿近くにある「第一次大極殿復原事業情報館 」も、平城宮いざない館と同じ条件で開館しています。
コチラは、写真を撮り損ねてしまいましたが、内部の展示は主に、第一次大極殿の復原の様子や、その時の出土品や遺構の説明でした。
平城宮歴史公園エトセトラ
※地図⑧
平城京いざない館から朱雀大路を隔てたところに「天平みはらし館」があり、展望デッキから平城京の景色を楽しむことができます。
若草山をバックに写真を撮ることもできる、ビューポイントです♪
レンタサイクルをご希望の方は、ここで借りることができます。
公園内は広いので、レンタサイクルを活用するのも、時間短縮になります。
あと、「天平うまし館」ではお食事が、「天平みつき館」ではお土産も販売されています。
「天平うまし館」の奥には、大きな「遣唐使船」も展示されています。
こういう船に乗って、当時の人たちは、唐まで行っていたんですね~(;・∀・)
想像が広がります!
ついでに「せんとくん」も、しっかりポーズ決めてます(笑)。
また、奈良県民以外の方に、よく驚かれるのですが、平城宮跡内には近鉄奈良線の線路が横切っていて、踏切もあります。
朱雀門から第一次大極殿の方に行くための踏切は、警備員さん付きで、8時から17時までしか渡れません。
なので、この踏切より北側のエリアには、早めに行かれることをおすすめします。
さらに、平城宮跡内には道路があり、普通に車も走っています。
「みやと通り」は、わりと交通量がありますので、渡る時は気をつけてくださいね(;'∀')
《参考文献》
・平城宮跡歴史公園発行公式パンフレット
まとめ
いかがでしたでしょうか。
古代の都跡で、こんなに綺麗に復原・保存されているのは、日本ではここくらいですから、機会があればぜひ、訪れてみてください。
何と言っても、入場入館無料ですから(*^^)v
ちなみに…
平城宮跡歴史公園内はとても広いので、くまなく歩くと、運動不足解消効果が期待できます(笑)。
全部のポイントを見て回ろうと思う方は、歩きやすい服装&靴で行くことをおすすめします(;^ω^)
また、あまりお時間がない場合は、レンタサイクルの利用や、マイカーで来られる場合は無料駐車場も活用して、効率よく観光してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。