kumakuma blog   クマ子の奈良歩き

奈良県の観光やお役立ち情報を発信していきます(*'▽')

ご存知でしょうか?世界遺産 唐招提寺と薬師寺は最寄り駅が同じなのです!

現在、奈良市にある「古都奈良の文化財」として登録されている世界遺産は8つの資産で構成されていますが、そのうちの2つ、「唐招提寺」と「薬師寺」が、同じ最寄り駅(近鉄橿原線・西ノ京駅)から、徒歩圏内にあることを、皆さまはご存知でしょうか?

そう、この非常に有名で、国宝と重要文化財だらけの2つの寺院は、アクセスも大変優秀なのです!

奈良にお越しの際は、東大寺や奈良公園もいいですが、出来れば「唐招提寺」と「薬師寺」にも、ぜひ足を延ばしていただきたいと思います(*''▽'')

そこで…

もしも2つとも見て回る時間が無い時は、どちらがおすすめ?

拝観料はどのくらいになるの?

また、両方を拝観するなら、所要時間は?

といった疑問に、今回はお答えしたいと思います(^ ^)

 

  

唐招提寺・薬師寺へのアクセス

《電車の場合》

近鉄橿原線・西ノ京駅より→薬師寺は徒歩1分

            →唐招提寺は徒歩9分

電車は上下線とも、だいたい1時間に5~8本運行されています。

近鉄奈良駅からは、西大寺駅で乗り換えて、所要時間約15分・運賃は大人260円です(近鉄特急は別料金)。

 

《車の場合》

唐招提寺駐車場・薬師寺駐車場ともに、普通車1日(8時半から17時)500円です。

どちらかに停めれば、充分歩ける範囲です。

この界隈の特徴としては、風情があって、とても静かなことです。

また、訪れる外国の方も英語圏の方が多い印象です(対して、東大寺や奈良公園は、中国語圏の方が多く、観光客もとても多いです)。

 

唐招提寺と薬師寺・それぞれの特徴

《唐招提寺の特徴》

個人的なイメージとしては、

静寂・高尚・古刹・格調高い…と言う感じです。

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いわゆる「侘び寂び」を感じたい方や、清廉とした雰囲気が好きな方におすすめです。

 

また「金堂」のご本尊は『盧舎那仏』『薬師如来』『千手観音菩薩』(全て国宝)…という、他に例をみない取り合わせで、言ってみれば、スターが3人並んでいる…!という感じで、圧巻です。

3体とも、前に立つと、自然と手を合わせてしまうような威厳をお持ちです。

3体とも大きいのですが、特に『千手観音菩薩』は、本当に手が953本(現存する分)あり、その姿に圧倒されます。

唐招提寺・金堂のご本尊画像はコチラ

 

ここで、金堂のご本尊のご利益をご紹介しましょう。

『盧舎那仏』…現世安穏・所願成就

『薬師如来』…病気を治す・命を延ばす

『千手観音菩薩』…七難(火難・水難など)を免れる

…どうですか?

この、パワースポット張りのご利益!

唐招提寺に来る前には、ご本尊にお願いする内容を事前にまとめておいて、思いっきりお願いしてみてください♪

何となく行っちゃうと、帰ってから後悔しますよ~(笑)。 

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また「金堂(国宝)」は、唯一現存する奈良時代創建の金堂で、これも見どころの一つです。

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唐招提寺は、奈良時代である759年に創建されました。

ちょうど、奈良の大仏を建立した聖武天皇と光明皇后の娘である孝謙天皇(のちに重祚して称徳天皇)が孝謙上皇であり、天武天皇の孫にあたる淳仁天皇(のちに「恵美押勝の乱」連座のかどで、孝謙上皇により廃位される)在位の時代にあたります。

そういう時代背景もあり、仏像の雰囲気の中に、東大寺のものを彷彿とさせる部分も感じられます。

 

そして、唐招提寺が有名なのは、中国から日本に仏教の戒律を伝えるために、幾多の苦難を乗り越えて来日した「鑑真和上」の創建であることです。

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鑑真和上の墓所である「開山御廟」

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なかでも、鑑真和上のお墓がある「開山御廟」の辺りは、静粛な美しい空間になっています。

 

《薬師寺の特徴》

対する薬師寺のイメージとしては、

豪華絢爛・優雅・壮大…といった感じです。

華やかな雰囲気をお好みの方におすすめです。

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また伽藍は、東塔(国宝・現在修復工事中)と東院堂(国宝)を除き、すべて戦後に再建されたもので、いわゆる現代人の写経勧進の積み重ねにより出来た大伽藍であり、そういう意味で、ある種の感動を覚えるお寺です。

 

薬師寺のお写経体験についてはコチラ☟ 

www.norikuma2.com

 

薬師寺の金堂のご本尊は「薬師三尊像(すべて国宝)」で薬師如来像を中心に、向かって右が日光菩薩、左が月光菩薩という、王道の構成になっています。

非常に美しい仏像で、思わず立ち止まって見惚れてしまいます。

3体の均整も取れていて、金堂内が独特の雰囲気に包まれている感じです。

薬師寺金堂のご本尊画像はコチラ 

 

ちなみに「薬師如来」のご利益は、先ほども触れた通り、

病気平癒…なので、ご自身はもちろん、大切な人の健康を願って、たくさんの方たちがお参りに来られています。

 

お金がいくらあっても、健康でなければ意味がありません。

ここでは思い切り、薬師如来さまに無病息災をお祈りしましょう!

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薬師寺は、698年に創建されました。

天武天皇が、皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って建立された…というのは、有名なエピソードですね!

その縁起もあり、ご本尊は「薬師如来」となっています。

 

698年は藤原京に都があった頃ですが、平城京遷都後の718年に、現在の場所に移築(もしくは新築?)されました。

既に、天武天皇も持統天皇もお亡くなりになっていますが、孫娘である元正天皇が在位している時代になります。

薬師寺は、持統天皇の血統の正当性を示すお寺でもありますから、その当時は、天皇家のバックアップもあり、大変な威光を誇っていたと思われます。

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この令和の世でも豪華絢爛さを保ち、また、女性天皇を多く生み出した時代性もあるのか、とても優雅な印象を受けるお寺です。

 

唐招提寺と薬師寺・それぞれの拝観情報(工事情報含む)

《唐招提寺・拝観情報》

所在地 〒630-8032 奈良市五条町13-46

電話番号 0742-33-7900

拝観時間 8時半~17時(受付~16時半)

通常拝観料 大人600円 高校生・中学生500円 小学生200円

 

特別拝観

※新宝蔵(国宝・重要文化財が多数 おすすめです!)

 入館料 大人200円 高校生・中学生・小学生100円

 (3月1日~6月30日・9月1日~11月30日・12月31日~1月3日の期間のみ開扉 9時~16時)

唐招提寺・新宝蔵のお宝はコチラ

 

※鑑真和上坐像特別開扉(毎年6月5日~7日 9時~16時)

 特別拝観料(通常拝観料にプラスして必要です)

   大人500円 高校生・中学生400円 小学生300円

 ・平成大修理中のため、数年間は「新宝蔵」にて開扉

 ・通常時の拝観場所は「御影堂」です。

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「御影堂」及び「東山魁夷画伯奉納御影堂障壁画」は、平成大修理中のため、2022年3月まで拝観できません!

 残念…;つД`)

 

《薬師寺・拝観情報》

所在地 〒630-8563 奈良市西ノ京町457

電話番号 0742-33-6001

拝観時間 8時半~17時(受付~16時半)

 

但し、拝観料に関しては注意が必要です!

玄奘三蔵院伽藍 公開or非公開時期によって、拝観料が変わります。

 

[玄奘三蔵院伽藍 非公開時期

(1/16~2/28・7/1~8/12・8/16~9/15・12/1~12/31)]

通常拝観料(白鳳伽藍のみ)  

      大人800円 高校生・中学生500円 小学生200円

 

[玄奘三蔵院伽藍 公開時期

(1/1~15・3/1~6/30・8/13~15・9/16~11/30)]

通常拝観料(白鳳伽藍+玄奘三蔵院伽藍)

      大人1100円 高校生・中学生700円 小学生300円

 

さらに!

この時期なら、西塔と食堂を拝観することも出来ます。

ただし…

たっ高い…(´゚д゚`)!

 

白鳳伽藍+玄奘三蔵院伽藍+西塔+食堂=

大人1600円 高校生・中学生1200円 小学生(大人同伴)300円

 

なんか、変な公式?が出来てしまった~(+_+)

しかも、西塔と食堂を個別で拝観する場合は、各500円必要らしいです…。

なので、全部見ちゃった方がお得ですね(;^ω^)

 

こんなふうに、特別拝観時はお高くなってしまうので、誰も行かなくなってしまっては大変です…(´゚д゚`)

なので、それぞれの拝観場所の見どころをご紹介しますね(汗)。

 

玄奘三蔵院」ですが、昔から薬師寺にあった再建造物ではありません。玄奘三蔵(西遊記の和尚様で有名な方ですね)の遺徳を顕彰するために、1991年に建てられました。

そして、ここでの見どころは…「平山郁夫画伯奉納大唐西域壁画」!

著名なシルクロード画家である平山郁夫画伯が、薬師寺のために30年かけて描き上げた渾身の大作を見ることができます♪

これは、素晴らしいです!おすすめです(´艸`*)

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また、謎の公式?の一角を担う(笑)西塔の中には、釈迦の生涯の重要な場面が再現されている「釈迦八相像」が奉納されていて、特別拝観時に見ることが出来ます。

「釈迦八相像」はコチラ

法隆寺の五重塔内にも、奈良時代に作られた塑像群(国宝)が安置されていて、釈迦の生涯を見ることは出来るのですが、遠くからでしかも照明が暗い(それでも当時の塑像が残っているので大変価値があります)ので、この種の塑像に興味のある方は、こちらの方がはっきりと見ることが出来るので、おすすめです。

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そして、悪魔…ゲフンゲフン…謎の公式(笑)の最後を飾る食堂は、2017年に再建された現時点で薬師寺で一番新しい建物です。

中に入ると、ご本尊が「絵画」なのでビックリしますが、ご本尊の絵も、周りの絵も素晴らしいと思ったら、平山郁夫画伯のお弟子さんに当たる「田渕俊夫画伯」が奉納された作品でした。

かなり見ごたえがありますので、絵画に興味のある方には、ぜひおすすめします。

あ…最新型の再建造物である食堂は、入口が自動ドア⁉になってますので、驚かないでくださいね(;・∀・)

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このように、薬師寺の拝観料は、ぶっちゃけ かなりのお値段です( ;∀;)

それだけの価値は間違いなくあります!

ですが、せっかくなので、薬師寺に行かれる際は、ちょっとだけでも予習してから行かれることをおすすめします。

1600円も払ったのに、後から「ああ、あれも ちゃんと見ておけばよかった~」と思ったりすると、地団駄を踏むハメになります(経験者は語る)。 

 

そして…

返す返すも残念なのが「凍れる音楽」との異名を持つ、 美しい三重塔である「東塔(国宝)」が、大修理中で拝観できないことです。

東塔は、創建当時から唯一現存する建物なのですが、もう、それはそれは美しくて美しくて…(*''▽'')

東塔と西塔が並び立つ様子を、ぜひご覧になっていただきたいです。

 

ただし…

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10年越しの大修理も、ようやく終了間近!

来年のゴールデンウィークには、この優美な姿を見ることが出来ます(観光客は殺到しそうですが)。

 

そして現在、一時的に東塔の覆屋が一部外されていて、東塔をチラ見することができます!

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この写真は、2019年9月26日に撮影したものですが、10月17日にもう一度、近くを通った時に確認したら、まだ、この状態でした♪

大修理完成までに、再び覆われて見えなくなってしまうそうです。

行かれる際には、見える状態であることを祈りましょう(*ノωノ)

 

唐招提寺・薬師寺の観光プランを考えるには?

ここまで、両寺院のことを、ざっくりとご紹介してきましたが、では所要時間はどのくらいになるのでしょう?

 

唐招提寺

通常拝観→1時間~1時間半くらい

特別拝観時→2時間~2時間半くらい

 

薬師寺

白鳳伽藍のみ→1時間~1時間半くらい

白鳳伽藍+玄奘三蔵院伽藍→1時間半~2時間くらい

白鷗伽藍+玄奘三蔵院伽藍+西塔+食堂→2時間~2時間半くらい

 

じっくり見るのか、少し駆け足で見るのか、また各々の歩くペースなどにもよりますので、だいたいの目安にしていただければ…と思います。

 

以上のことから、半日の持ち時間があるなら、唐招提寺・薬師寺ともに拝観することは可能だと思われます。

あとは、各々の滞在可能時間やペース、必ず見たいポイント、また特別拝観がある時期かどうかも考慮に入れみてください。

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まとめ

唐招提寺と薬師寺…奈良に来られたら、ぜひ拝観していただきたくて、プランを立てる目安となるであろう情報を上げてみました。

いかがでしたでしょうか。

大きな寺院というのは、創建する時はもちろんのこと、約1300年もの間、維持していくためには、大変な苦労があったと思います。

そういった先人の方々を想いを感じつつ、この界隈を散策するのも、観光の醍醐味と言えるでしょう。

また、2つの世界遺産が、交通アクセスよく、なおかつ隣接しているのは、上手くプランを立てれば、両方とも有意義に見て回れるチャンスです!

奈良にお越しの際は、ぜひ観光ルートに入れてみてください(^ ^)

この記事が、皆さまの旅のお役に立ちましたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

《参考文献》

・「奈良県の歴史散歩 上巻 奈良県北部  奈良県高等学校 教科等研究会歴史部会編  山川出版社」
・「奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック[改定新版]  網干善教 監修  奈良商工会議所 編  山と渓谷社」 

・「別冊宝島 唐招提寺 宝島社」

・「古寺巡礼 奈良9 薬師寺 山田法胤 平山郁夫 淡交社」

・唐招提寺発行公式パンフレット

・薬師寺発行公式パンフレット

 

※この記事内の情報は、2019年10月17日現在のものです。実際に行かれる際には、最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。