実は「世界遺産・唐招提寺シリーズ」の最後の記事を、3月中旬から投稿できていませんでした💦
なぜなら…地元の図書館がコロナで臨時休館となり、参考文献を借りることが出来なくなってしまったのです(>_<)
5月中旬に、ようやく、オープンしたので借りに行ってきました☟
ようやく、地元の図書館が開館した❕
— クマ子 (@xkumaco) May 20, 2020
時間も短く、図書の貸出・返却業務のみ。椅子はすべて撤去され、中で勉強も出来ないけれど…
それでも、嬉しい(*'▽')
少しずつ戻りつつある大切な日常を、再び失うことがないように、今まで通りの努力が必要だと実感✨#図書館再開 #感染拡大防止 pic.twitter.com/itnSygntcN
ですが、大神神社シリーズが長引いてしまっていたので、途中に挟むのもなぁ…と思い、ちょっと手元で温めていましたが…
ヒヨコが孵ってしまう前に(笑)、なんと約3ヶ月ぶりに、クマ子の奈良歩き「唐招提寺シリーズ」を投稿させていただきます(;^ω^)
1回目にご紹介したのは赤色のエリア、2回目のご紹介は青色のエリア、また3回目は緑色のエリア、そして最終の今回は黄色のエリアになります☟
間にある馬道が個性的❕礼堂・東室
☝ 前回の記事でご案内した、日本最古の校倉造と言われている国宝の「経蔵」。
そこから、西に目をやると、南北に細長い建物が目に入ります。
こちらは、もともと僧房であった建物が改築されたものです。
中央よりやや南に、ぽっかりと空いた土間のような通路がありますね。
これは「馬道(めどう)」と呼ばれています。
名前の通り、昔は馬に乗っている時は、ここを通っていたようです✨
馬に乗って通るには、少し天井が低い気がします💦
昔の人の体格はやはり、現代と比べると小さかったのだろう…と推測されます(;^ω^)
そして、この馬道を挟んで北側の十間が「東室(ひがしむろ)」。
一般客は入れませんが、修学旅行などで学生が入らせてもらえることがあるそうです✨
そして、南側の八間は「礼堂(らいどう)」。
こちらは、東室に比べると少し面積は小さいのですが、鎌倉時代の建物で、重要文化財に指定されています。
この建物の重要性は、南側にある「鼓楼」に安置された仏舎利を礼拝するための堂であることです。
くだんの仏舎利は、鑑真和上が唐より招来したもので、唐招提寺の中心…とも言える大切なものなのです。
その仏舎利を納めた「金亀舎利塔(きんきしゃりとう)」は、通常は「鼓楼」に安置されていますが、毎年10月21日~23日の3日間のみ「礼堂特別公開」が行われ、その時には拝観することができます。
他には、清凉寺式…と呼ばれる、独特の姿をされている「釈迦如来立像」(共に鎌倉時代・重要文化財)が置かれています。
こちらも「礼堂特別公開」の間の、年に3日間だけお姿を見ることができます。
鼓楼
さて、礼堂のすぐ南側にある建物。
2階建てで、とても趣があって、ひときわ目を惹きます。
この建物は「鼓楼」といいますが、現在は、鑑真和上将来の仏舎利を奉安しているため「舎利殿」とも呼ばれます。
創建は鎌倉時代で、源頼朝によって建てられたと伝わる国宝。
源頼朝は、平家によって焼き討ちに遭った、東大寺の再興に尽力したことで有名ですが、ここ唐招提寺でも再建に関わっていたようですね。
この「鼓楼」、2階はバルコニーのようになっていて、毎年恒例の唐招提寺を代表するお祭りである「うちわまき」でのうちわは、ここから、参拝者にまかれます。
正式名称「中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)」とよばれる「うちわまき」の起源として伝わっているのは…
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仏教の戒律を伝えるために、数多の苦難を乗り越えて、来日した鑑真和上創建の唐招提寺も、鎌倉時代の初めには随分と寂れてきていました。
そんな時期に、唐招提寺の輝きを取り戻すために尽力した、唐招提寺中興の祖として知られる、覚盛(かくじょう)上人を讃えるお祭りです。
覚盛上人は、修行中に蚊に刺されても「自分の血を与えるのも菩薩行のうち」と、蚊を叩かなかった…というエピソードがあり…
「せめて、団扇で蚊を払って差し上げよう」と、法華寺の尼がハート型のうちわを供えたことがはじまりと言われています。
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このハート型の、神社仏閣における意味については、以前、はてなブログの「のと爺」さま id:kojikint70に、はてなブックマークコメントにて教えていただきました✨
ハート形は猪目(いのめ)といわれる古来からある文様で、神社仏閣の扉の止め金等でよく見られます。猪の目をモチーフにしており、魔除けや招福の意味があると言われています。 (のと爺さまコメントより)
うちわまき用の団扇は、僧侶や寺職員の方々が、一本一本、心を籠めて手作りされているもので、このうちわをいただくと、病魔退散・魔除けなどのさまざまなご利益があるとのことですが、昔は参拝者の間で奪い合いになったり、ケガ人が出たりしたので、今では、整理券を配ってから、平和的に祭りが進行していくそうです(;^ω^)
整理券を手に入れることができなくても、最終的には、一本1000円で販売されているので、どうしても欲しい方は安心ですね。
尚、「うちわまき」の行事は、覚盛上人の命日である5月19日に行われますが、今年、2020年は、コロナウイルス感染拡大防止のため、参拝者を入れず、唐招提寺の関係者のみで執り行われました☟
🐇
— ✿「風 Ⅳ」✿ (@eSpHpmjgIyhIrDY) May 19, 2020
「季節の催事」
~うちわまき(中輿忌梵網会)~
2020年5月19日(火)
新型コロナウイルス対策で拝観停止中のため、一般の参拝客を入れず
唐招提寺
奈良県奈良市五条町13-46https://t.co/kUjzzaPN9T pic.twitter.com/fTXROgslpO
来年にはコロナが収束し、いつもの賑わいを取り戻していてほしいと願います✨
講堂
唐招提寺は、金堂が個性的過ぎて、その後ろにある「講堂」を、軽くスルーしがちですが、こちらの建物も国宝です。
しかも、平城京にあった、東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)が移築・改築されています。
平城京にあった建物で、唯一現存する…というシロモノなのです!
外観は、平屋の入母屋造で、鎌倉時代に解体修理をした時に、現在の形になったと言われています。
この講堂が、あの広大な平城京跡にあったと想像すると楽しいです♫
平城宮跡についてはコチラ☟
また、内部に安置されている、鎌倉時代の作品で重要文化財でもある仏像も素晴らしいのです。
講堂のご本尊の「弥勒如来坐像」☟
鎌倉時代風の、目鼻立ちがはっきりとした力強い表情です。
まったくの余談ですが、私が、弥勒菩薩のことを初めて聞いた時に、驚いたのが…☟
弥勒は現在仏であるゴータマ・ブッダ(釈迦牟尼仏)の次にブッダとなることが約束された菩薩(修行者)で、ゴータマの入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済するとされる。 ~Wikipediaより~
弥勒仏に対する構想がスゴイ(゜゜)
56億7千万年…なんて、想像することすら不可能に思えます💦
それからというもの、弥勒仏を見ると、私の脳裏に宇宙空間が広がっていきます…(;'∀')
また、脇侍の「持国天立像」と「増長天立像」は、奈良時代の作品で国宝です。
天平時代の作品は、独特の味わいがありますね。
講堂を出て右手には、鐘楼があります。
とてもどっしりとした鐘が、風格を感じさせます。
鐘楼からさらに西に進むと、戒壇院にたどり着きます。
戒壇院についてはコチラ☟
おまけ:金堂の邪鬼
唐招提寺の顔とも言える金堂ですが、大屋根を支え続けている邪鬼がいます。
ちょうど屋根の影にあたるので、光の加減で見にくい時間帯がありますが、目を凝らすと…☟
私の写真では、はっきりわかりずらいですが、実物はこんな感じです☟
愛嬌があって、意外と可愛いです(*'▽')
唐招提寺に行かれる際には、ぜひ探してみてください!
金堂についてはコチラ☟
尚、金堂東側にある売店には、金堂の屋根を支える邪鬼についての詳しい説明書きが置いてあります☟
また、店内では「うちわまき」のストラップなども販売されています。
《参考文献》
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・唐招提寺発行公式パンフレット
・奈良まほろばソムリエ検定奈良通1級用の認定支援セミナーで配布された資料
まとめ
さて、世界遺産「唐招提寺」シリーズ、4回に渡ってご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
途中で、何度も中断したので、わかりにくかったかもしれませんが、お付き合いいただきありがとうございます💦
尚、唐招提寺の拝観・アクセス情報はコチラ☟
この記事を読んで、唐招提寺に興味を持っていただければ幸いです✨
最後までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>