過去に3回に渡ってご紹介してきた奈良市にある霊山寺。
1回目は、山門から弁天堂までの比較的現代風の境内の様子を☟
2回目は、奈良時代の面影を感じさせる本堂を中心とした国宝エリアを☟
そして3回目は、バラ園と近隣のおすすめグルメを☟
それぞれ、ご紹介してきました(*'▽')
今回は最終回として、素晴らしいスピリチュアル空間である「奥の院」と、重要文化財でもある見事な「三重塔」等について書きたいと思います。
※今回ご紹介するのは、以下の境内図の黄色の〇の部分となります。
仙人の山…とも言われる「鼻高山」
さて、話は、バラ庭園やグルメから、本堂を中心としたエリアに戻ります。
本堂を拝観した後、ふと西側を見ると、何やら魅力的な鳥居が視界に入りました。
もともと、時間があったら「奥の院」には行ってみたいなぁと思っていたのですが、ここまでの道のりを考えると、少し時間が足りないかな…💦と、断念しかかっていたのです。
…が、手前の看板に「奥の院」まで1km…という文字が(゚∀゚)❕
この距離なら、もう行くしかありませんね(笑)。
奥の院への道は、ちゃんと舗装されているので歩きやすいです。
そして、向かって左側に、ちょっとした川が流れており…


マイナスイオンたっぷりの空間となっています✨
空気が澄み切っている中を、ほんの7,8分ほど歩くと、またもや鳥居が…
これは、奥の院へと導いてくれる鳥居🎵
しかしその先は、下りの階段がけっこうな長さで続いています。
一瞬「下ってしまうと、帰りはひたすら登りだなぁ…💧」という考えがよぎりますが、ここまで来たら行くしかありません(;^ω^)
どんどん、階段を下っていきます。
階段が終わると、また緩やかな道を歩きます。
陽射しがほどよく遮られ、とても涼しくて気持ちいいです✨
その先に、大きなご神木と赤い鳥居が見えてきました。
15分ほどで、奥の院へと着くことができました❣
この地には、
弘仁時代(約1180年前)、弘法大師がやって来て、霊験あらたかな竜神さまを体得され、大辯才天としてお祀りになった霊地である…
と、案内板に書かれています。
でも、このご神木を見上げたら、もう何も説明は要らないように感じました。
では、奥の院へ入ってみます。
鳥居を抜けて、赤い橋を渡ります。
目の前に、お堂があります。
説明板のようなものが何もないのでよくわかりませんが…
拝殿なのかな?
あくまでも私見ですが、ここにある「鼻高(びこう)山」が、ご神体…という形なのかもしれませんね。
お参りをすませ、向かって左側に目をやると、またまた、向こうの方に赤い鳥居が見えます。
鳥居に吸い寄せられるように、そちらの方へと歩いて行きます。
川の傍に立つ鳥居。
こちらも看板などがなかったので、詳細は不明ですが、奥の院の摂社なのでしょうか。
川のせせらぎの音が、とても心地いい✨
弘法大師が開いて以来、千数百年もの間、この地に祀られてきた竜神さまがいるという霊山寺奥の院は、本当にスピリチュアルな空間で、確かにここに何かがあることを、実感することができました✨
徳川家とのご縁・開山大師堂
さて、奥の院から霊山寺境内へと戻ります。
最初に通ったのは「放生池」です。
赤い社の前には「放生池辯才天」と書かれています。
ここも、龍王さまが祀られているようで、とても強いパワーを感じました(*´ω`)
この池の辺りから、上の方に向かって伸びているお堂を見上げます。
ここは、霊山寺の「開山堂」です。
古くは行基菩薩を祀っていたそうですが、江戸時代には、弘法大師を祀ることになったそうです💧
途中で、開基が変わる…というのも、なかなか珍しい話だと思います。
これも私見ですが、創建当初は、聖武天皇勅願寺として寺勢を保っていたのが、時代の流れとともに、修験道のお寺として…という性格が強くなっていったのかもしれません。
また、この開山堂には、歴代徳川将軍の位牌も祀られています。
徳川家の信を得て、江戸時代には、ますます寺勢は拡大していったようです。
華麗な姿・重要文化財である三重塔
さて、先ほどの「放生池」の前を通り、南に向かうと、美しい三重塔があります。
5.5m四方の檜皮葺、総高17mの端正な姿の三重塔で、鎌倉時代の1283~84年頃の建立と推定されています。
本堂も、同時期に改築されていて、そして本堂とは、境内を流れる湯屋川を挟んで、高台に向かい合って建っています。
ことことからも、未だ修験道場としての霊山寺ではなかった頃から、この周辺が、メインのエリアだったことがうかがえます。
また、この塔の初層内部には「巨勢金岡」筆と伝わる極彩色の壁画(五大明王や涅槃図など)が全面的に描かれているそうで、年に一度、11月3日のみ公開されています。
ぜひ一度、見てみたいものです(*´ω`)
大峯山とのゆかりも…「行者堂」
三重塔のすぐ南側には、山岳信仰から発した修験道の伽藍としては、霊山寺に唯一現存する堂宇である「行者堂」があります。
神変大菩薩(役行者)、不動明王、青面金剛が祀られています。
平安時代に、霊山寺の乗阿上人(じょうあしょうにん)が、理源大師(りげんたいし)に従って大峯山(奈良県天川村)の再興に尽力し、大峰山方の正大先達筆頭となりました。
毎年9月15日に堂前でおこなわれる紫燈護摩法要は、1000年以上続いているそうです。
そして、この「行者堂」のすぐ近くに、こんな石碑を発見。
「大峰山上三十七度供養塔」と書かれています。
南に面している碑なので、かなりの距離はありますが、確かに大峰山の方を向いています。
これらのことからも、霊山寺に修験道が深く根付いていることが、よくわかります。
霊山寺への拝観情報・アクセス
《霊山寺・拝観情報》
所在地 〒631-0052 奈良県奈良市中町3879
電話番号 0742-45-0081
拝観時間 <本堂>10時~16時
<バラ園>8時~17時半
通常拝観料 大人500円・小中学生250円
定休日 年中無休
無料駐車場有
<公共交通機関でのアクセス>
近鉄奈良線「富雄駅」より奈良交通バス「若草台(50番系統)」行き「霊山寺」にて下車すぐ。
<自家用車でのアクセス>
第二阪奈道路「中町IC」より、約6分
《参考文献》
まとめ
今まで、4回に渡って、奈良市にある「霊山寺(りょうせんじ)」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
境内に、お風呂があり、バラ庭園にカフェもあり、ゴルフ場(現在は廃業)や巨大な霊園など、どちらかと言えば、アミューズメント的な捉え方をしてしまっていたお寺だったのですが、実際に行ってみると、聖武天皇勅願の由緒正しきお寺であり、見事な国宝や重要文化財も数多く所持されていました。
また、弘法大師を開基として、修験道道としての面もあり、特に「奥の院」のスピリチュアル空間は素晴らしいものでした✨
そういう確かな裏付けがあることがわかると、お寺のバラ庭園を眺めながら、ゆっくりとローズティーをカフェでいただくのもいいかも…♡
新しい時代の、お寺としての一つの在り方なのかもしれません。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました<(_ _)>