kumakuma blog   クマ子の奈良歩き

奈良県の観光やお役立ち情報を発信していきます(*'▽')

聖徳太子と法隆寺展~奈良国立博物館

現在、奈良国立博物館で行われている「聖徳太子と法隆寺展」(会期:2021年4月27日(火)~6月20日(日)。

 

この展示を、去る5月8日(土)に見に行ってまいりました✨

奈良公園

奈良公園では鹿がお出迎え(*´ω`)


ものすごく、いい展示だったので、レポさせていただきたいと思いますが、もちろん、写真撮影禁止の場所なので、出来るだけ文章で、その良さを伝えられるように頑張ってみたいと思います(;^ω^)

 

 

「聖徳太子と法隆寺展」おすすめポイント 

奈良県斑鳩町にある法隆寺には、数多くの国宝があり、常時見られるものと、期間限定で見れるものがあります。

ただし、金堂や五重塔・大宝蔵院など、建物の内部は暗く、なかなか細部までしっかりと見ることは困難であるという面も…(おそらく、宝物を劣化させないためだと思われます)💦

 

法隆寺・西院伽藍についてはコチラ☟ 

www.norikuma2.com

 

この「聖徳太子と法隆寺」展では、展示も明るく、その部分をクリアできている上、さらには国宝の背部まで見ることができるのが、感激ポイントです✨

 

また、コロナ禍の中で、一時間ごとに人数制限を設け、予約制が取られています(予約がいっぱいにならない限り、当日券も販売されます)。

ところが、その手間がハードルになっているのか、博物館内の人出はけっこうまばら。

法隆寺

国立博物館入口 この右手で時間まで待つ

 

おそらく、コロナ禍でなければ、正倉院展並みのすごい人だったと思われますが、これはこれで、お気に入りの国宝の前で、ゆっくりじっくりと見ることができますね。

もうこれだけでも、充分行く価値があると思います(´艸`*)

 

《奈良国立博物館へのアクセス等》

 <電車・バス>

JR奈良駅または近鉄奈良駅からぐるっとバス(奈良公園ルート)「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停下車 徒歩約3分

または、近鉄奈良駅より 徒歩15分

<自家用車>

第二阪奈自動車道・宝来ICより 約12分

 「聖徳太子と法隆寺展」詳細についてはコチラ  

 

「聖徳太子と法隆寺展」見どころ 

まずは何と言っても、聖霊院に安置されている秘仏の「聖徳太子および侍者像(国宝・平安時代末)」

普段は、3月22日のお会式(太子の命日法要)の日のみ、開扉されます。

ただし、その時も、この像の前には、大立山と呼ばれる大きなお供物が置かれ、はっきりと聖徳太子像を見ることはできません。

なのに、今回は、背中までじっくりと見ることができるのです❣

 

世に聖徳太子像と呼ばれるものは数多ありますが、2歳像・7歳像・孝養(16歳)像…と、子どもの頃の像が多い印象があります。

そんな中で、成人した太子の、しかも摂政として活躍していた聖徳太子の姿を現した傑作と言われています(聖徳太子没後500年の時に作成されている)。

聖徳太子と法隆寺展

売店で即断で買った図録 表紙は聖徳太子像(国宝)

 

私は、この、厳しい表情で前を見据える聖徳太子の表情の中に、強い意志が垣間見えるところが、とても好きなのです。

加えて、頭に被っている冕冠(べんかん)と呼ばれる冠の美しさにも、目を見張ってしまいました。

 

次に、教科書にも載っていて有名な「玉虫厨子(国宝・飛鳥時代)」

普段、法隆寺では、大宝蔵院で展示されているのですが、やはり、内部は暗いので、なかなか細部を見ることができません。

私は、その大宝蔵院で、何とかして見ようとして、頑張って接近してガン見したことがあるのですが、ガラス越しなのに、係りの人が飛んでこられたことがあります(笑)。

そんなリスクを背負っても、しっかりと見れなかった「玉虫厨子」を、ここでは比較的明るい空間で、じっくりと見ることができます✨

 

この玉虫厨子、須弥座部の絵画は、シャカの前世を描いたものとして知られています。

特に、「捨身飼虎図(しゃしんしこず)」は有名で、飢えた虎の母子に自らの肉体を布施する場面が描かれている様子が描かれています。

その絵が、よく見えるのですよ🎵

 

何という幸せ(´艸`*)

 

そしてそして圧巻なのが、普段は金堂に安置されている「薬師如来坐像(国宝・飛鳥時代)」

広々として明るい空間で、ガラス越しではありますが、じっくりと見ることができます。

 

今回は、台座(けっこうな高さがあります)とは別で展示されているため、普段よりもかなり低い位置である印象を受けます。

そして、そのお姿を、360度ぐるりと…つまり、あの有名な光背裏銘文を読むことができるのです。

聖徳太子と法隆寺展

ポスターの左側には 薬師如来坐像(国宝)の姿が


聖徳太子の父である用明天皇が、自らの病気平癒のために発願した仏像であるけれども、亡くなられてしまったので、その後、聖徳太子と推古天皇によって発願→完成に至った経緯が書かれていて、仏像の築造年代を考えるうえでも、物議を醸したあの文章です。

 

また、普段は高いところから、見下ろしていらっしゃる「薬師如来」さまを、こちらが少し見下ろす形で、背部まで見ることができるのです。

もうすっかり「仏像背中フェチ」になってしまいそう(;^ω^)💧

 

「次に、こんな機会があるのはいつなのだろう…」と思うと、いつまでも見ていたく、離れがたく感じてしまいます。

 

 

そして、「四天王立像《持国天・増長天の二体》(国宝・飛鳥時代)」も、普段はダダでさえ暗い金堂の堂内の、しかも一番見えにくい北側に安置されているのですが…

その方々が…ですよ(*‘ω‘ *)

なんと、ガラスケースなし❕

 

まさに、手を延ばすと触れられる位置にあります(その分、係員の方は多く張り付いておられますが)。

 

おとなしく表現されていることでも有名な、足元の邪鬼の上に、まっすぐに立つ四天王像。

一般的な四天王像とは違って、動きがほとんど見られない分、独特の凄みを感じます。

 

 

あとは、五重塔の初層に安置されている「塔本塑像《羅漢坐像》(国宝・奈良時代)」です。

こちらも、普段はとても暗いところでしか見れなくて、はっきりと見れたことがなかったのですが…。

釈迦の涅槃を表す場面での羅漢坐像たちが一体ずつ置かれ、泣き叫んでいる、その生き生きとした表情には、本当に見入ってしまいます。

奈良時代に、こんなに表情豊かな塑像が作られたことからも、当時の人々の技術の高さに驚きます。

 

※法隆寺・五重塔についてはコチラ☟ 

www.norikuma2.com

 

さらには、法隆寺の持つ宝物の水準と数に驚き、それらが1300年もの間、管理され守られ続けてきたことに、ただただ驚嘆✨

まさに、奇跡のお寺です。

 

《参考文献》 

 

まとめ 

また、なら仏像館(奈良国立博物館入館料と共通)では、吉野町にある世界遺産・金峯山寺仁王門が修理中につき、その間、こちらで重要文化財・金剛力士立像が展示されています。

しかも、撮影OKという太っ腹ぶりヽ(^。^)ノ

なら仏像館
なら仏像館
金峯山寺 金剛力士立像(重要文化財・南北朝時代)

奈良国立博物館に行かれる際には、ぜひご覧になってくださいね(/・ω・)/

 

さて、別の日に、たくさんの宝物が出張中の法隆寺にも行ってきました。

薬師如来坐像がおられない金堂の中は、ガランとしているのかと思いきや…

普段見ることができない、薬師如来坐像の後ろの金堂壁画(第十号壁)が、よく見えて、これはこれで嬉しい。

法隆寺

鏡池ではツツジの姿も


そして、五重塔の北面の塑像を覗くと…

当然ながら、普段は泣き叫んでいる羅漢坐像たちがいません。

その空間を見て、「あ、出張中なんだな」と思い、奈良国立博物館で見た羅漢坐像たちを思い出し、何だかとても愛しく感じてしまいました。

法隆寺 五重塔

赤線で囲んだ方々が出張中で ガランとしていました


さて、6月20日(日)の会期終わりも近づいてきた「聖徳太子と法隆寺」展、後期の展示に入れ替わっています。

そして、後期の展示をやはり見たくなって、やっぱり行っちゃいました(;・∀・)☟

 

文中で、この展示は比較的空いています、と書いた部分を訂正させていただきます💦

6月8日(火)は、かなりの人出でした。

おそらく、NHK・Eテレの「日曜美術館」で放送されたのと、会期終わりが近づいているせいかも…💧

 

なお、この「聖徳太子と法隆寺」展、7月13日(火)~9月5日(日)には、東京国立博物館でも開催されます。

首都圏の方は、こちらもお楽しみに🎵

 東京国立博物館「聖徳太子と法隆寺展」についてはコチラ  

 

※法隆寺の「聖徳太子1400年御遠忌法要」についてはコチラ☟

www.norikuma2.com

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました<m(__)m>